2015年6月度例会「スペイン サンティアゴ巡礼について」~観光案内ではなく、巡礼について心の奥深いところを語る~

フォーカス・ワン6月例会が平成27年6月26日(金)恒例の日本記者クラブ会議室において日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会理事長 森岡朋子氏をお招きして開催された。「サンティアゴ巡礼の魅力」という演題で、サンティアゴ巡礼の道は宗教上の目的だけではなく、全ての人に門戸は開かれており、文化的・観光的関心、自らの体力の限界に挑む、また何かスピリチュアルなものに触れたいなど動機は様々でも、訪れる人達を常に温かく受け入れてくれるという話で講演は始まった。

 

同氏は2007年に新聞社の取材に同行したのを機にサンティアゴ巡礼の素晴らしさに触れ、それ以降毎年のように足を運んでその度に奥深い魅力を体感し、多くの人に伝えるべくNPO法人をつくり、巡礼の道のあらゆる魅力を興味ある人に発信されている方である。

 

今日の講演を聴くまでは、サンティアゴ巡礼の旅はごく一部の熱心なキリスト教徒が自らの信仰の為行うものと理解している方が大半と思われる。巡礼の道はすべての人に開かれていると聴いて、私も含めてそれでは行ってみたいと感じた人は多いのではないか? 世界中から年間20万人の人が訪れ、日本人も1千人近くいるそうだ。講演のなかで多くの旅のスライドを見せてもらった。点在する素朴で趣のある教会と緑豊かな丘陵の風景である。山地の多い山の緑に囲まれた日本の田園ではなく、果てしなく広がった空の下、延々と続く道を歩く、と想像しただけでワクワクしてくる。一日20キロ以上を数日間歩くことは容易ではないだろうが、自分の中に何かを感じられ、何か新しいものを見つけることが出来るのではという期待を抱かせる。日常のしがらみに捉われた生活を続けていると誰しもが時に魂の浄化をしたいという強い欲求を持つ事があるのが背景となっているのだろう。

 

ふと、こんな気持ちを持った会員の皆さんは是非「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」の扉を叩いたら良いのではないだろうか。

(文責 杉野)