2016年11月度例会 「退職後の生き方・私の課題」 ~社会とどう関わるか?~

本日の講師は、藤井幸子氏。ベビーブーマーのトップランナーとして社会人となり、外資系製薬会社で企業戦略としてのダイバーシティの導入など、女性が自立するのにはどうするかを考えながら企業人として又ひとりの社会人として行動されて来た人だ。現在は一般社団法人Women Help Women(WHW)の理事。

趣味のおひとつの着物姿で、気取らない歯切れのよいお話を伺うことができた。

まず冒頭はWHWの紹介。3.11東日本大震災直後、女性のための国際会議Global Summit of Womenを通じて出会った韓国の企業家たちからの基金・支援物資の受け皿として、プロジェクトが発足。5年かけて被災地の女性自立支援を続け、一般社団法人として独立した。

その活動のひとつとして、「あい基金」(Initiative・Independent・Inclusive)を設立し運営。

今起きている古くて新しい問題は「女性の貧困」であり、その解決の糸口は「経済的な自立」だ。その為の共同の社会貢献活動、つまり女性が女性を支援する「恩送り」の仕組みとして「あい基金」はある。

今の社会で何が幸せかと考えれば、衣食住から始まり欲求レベルは様々だが、究極は「誰かの役に立っていること」だろう。

そこで「恩送り」の精神に立ち次の世代へ何ができるか?と、考えれば、「意志ある寄付」は、投資のひとつの形として「社会を良くすること」に有効に使われるといえる。

日本の個人寄付は、様々な理由でアメリカと比べると、37分の1とまだまだ少ない。寄付は「お金でする社会貢献」だ。より良い社会を作る「未来への投資」であると共に、寄付をした人にとっても「人生の軌跡」と成り得る。生きていたことの証として「遺贈」を考えてみることには意味がある。

女性のダボス会議ともいわれるGlobal Summit of Womenが、2017年5月11日~13日に東京で開催される。74ヶ国、約1,000名の女性リーダーが結集し、様々な課題について話すので、是非参加してみて欲しい。

最後に、藤井さんは自分自身としては、これからの人生は、こんな風に生きたいと考え、それを実践して行くと締めくくられた。

元気でいられる間は社会と関わり、出来るだけ若い世代とコンタクトを取る、そして自分の価値観にマッチした人生を楽しむこと、そして好きなことを楽しみたい。

さらに「恩送り」を行動に移すために、「遺贈」を具体化すること。

藤井さんの「これからの人生の生き方」は、何やらフォーカス・ワンの活動にも通底するものがあるように思えたお話であった。

(文責:立山)