今回は会員の藤沼哲朗氏による「ちょっぴり歌の上手な元銀行マンの音楽ドタバタ記」という演題での講演でした。幼少期での音楽との出会い、その道に進もうとしたもののちょっとした行き違いから銀行員となり、仕事に集中する一方でその中で常に歌の練習を欠かさず、求める者には必ずチャンスが巡ってくるがごとく、歌の本場であるイタリアへの留学を実現し、その後ロンドン支店勤務、中でもダイアナ妃主催の赤十字のガラコンサートのオーデションに合格して、ロイヤル・アルバート・ホールでダイアナ妃を始め4千任の聴衆の前で日頃鍛えた歌を披露したことは一生の思い出となっていると感動を込めて語っておられました。またその後スカラ座の二軒隣のミラノ支店に支店長として赴任するというチャンスもものにして、ここでも仕事の傍ら歌の勉強に余念なかったそうです。今はボランティアで災害被災地や老人施設を廻り、歌で皆さんに感動を与えることに大きな喜びを感じているそうです。
歌唱力の向上を目指している会員の皆さんの為に藤沼氏が50年近く精進して身に着けた「ベルカント唱法」について披露があり、藤沼氏が感じるベルカント唱法のその神髄は、低音から高音に上がるとき音質が変化するポイントがあり、そこで高い音を出す時に声帯が狭くなるのをいかに声帯を開かせて高い音を作るかであるとコツを教えてもらいました。言葉で聞くと理解できそうですが極めて難しいテクニックです。世界的な名曲「マイウエィ」をいろいろな著名歌手が歌うのを解説付きで聴き、歌の持つ魅力に引き込まれていきました。これを機会にまた歌いたくなった会員の方もいるかもしれません。
当会が毎月の例会の会場として使わしてもらってきた日本記者クラブは今回で最後となり、来月4月からは東レ社員クラブに会場を移すことになります。その締め括りの意味もあり藤沼氏の素晴らしい歌の披露があり、閉会となりました。
(文責:杉野)