11月21日(火)18時よりフォーカス・ワンの月例の講演会が東レ社員クラブにおいて開催された。今回の講師は会員である古橋和好(かずよし)氏、「お金と感動」という講演テーマであり、どんな内容が話されるのか一同興味深々で聞き入った。
愛知県北設楽郡稲武町、現豊田市の出身、地元に高校が無いため、名古屋市内に進学という、まずは同氏の自己紹介から始まった。
社会人のスタートは縁あって入った、太陽銀行から、まさに日本経済が高度成長している姿を「お金」を通じて体感してこられた。これが今日のテーマの「お金」の部分である。その後バブル崩壊、金融危機、そして金融再編と激動の時期を迎え、同氏の勤務先は、太陽神戸、太陽神戸三井、さくら、そして今の三井住友と合併を繰り返し、銀行の名前が変わるたびに同じ「お金」を扱うそれぞれの銀行の経営方針がこうも違うものかを身をもって知ったとの事。銀行であるから常に「お金」が付きまとう訳で本部勤務、支店営業、国際金融などを通じて「お金って何だろう?」を考え、至った結論は、「お金が絶対的な存在ではない」という事であると語っておられた。
その後100年超の老舗企業ムラヤマに移られ、経営の中枢を歴任されてきた。その中で会社の事業内容の変遷を振り返り、今後にこの会社が隆々と生き抜いていくには、モノにこだわるのではなくコトにこだわることが大切ではないかと思い当たり、2002年創業100周年を機に「モノつくりからコトつくり」を打ち出し、社内に感動創造研究所を創設した。これがテーマの後の部分である「感動」である。社業を通じて人々の間に脈々と流れる心の動きを機敏に察して、それを提供していくことへのこだわりこそが会社の成長に欠かせない部分であると感じているようだ。
ご自身の職業の履歴のなかで、30年近くにわたる「お金」との接点、そして現在の「感動」との接点から、常に「お金って何だろう」そして「感動って何だろう」との思いが強く、お金と感動の位置関係を探っている。今は「感動」というテーマでの事業を模索する日々であるとのお話。
感動はお金で買えるのか、お金を感動に変えられるのか、さて、皆さんはどう思われますか?
(文責:杉野)