2024年5月22日 花音舞氏「私と宝塚」

講師は元宝塚歌劇団宙組娘役の花音舞氏。

花音氏は、2002年宝塚音楽学校入学、2004年宝塚歌劇団へ入団。在団中は宝塚オリジナルの人気作品「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」、ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」「アナスタシア」などに出演。

エトワール(フィナーレ冒頭でソロ歌唱を披露する役。主に歌の上手な娘役が配役される。)も2回勤め、2021年に退団するまで18年間、歌の上手い娘役としてご活躍されました。

退団後は、コンサート、ミュージカル・スクールの指導などでご活躍中です。

 

普段とは趣が異なり、明るく華やかな雰囲気で講演会が始まりました。

「私と宝塚」の演題で、音楽学校受験エピソード、音楽学校・宝塚歌劇団在籍時、退団後のお仕事について興味深い話が続きました。

一糸乱れぬ群舞のため自衛隊へ、和物の所作事を学ぶため京都花街へ研修に行かれたことも。

ブロードウェイ・ミュージカル上演時、振り切って役に入れ込んだお芝居をしていたところ、来日中のブロードウェイ側スタッフから「ブロードウェイへ来ないか」と誘いを受けたこともあったそうです。

長年あこがれてきたエトワールに抜擢されたときのエピソードが一番印象的でした。エトワールは、フィナーレで大階段を最初に降りてきて、大階段中央にてスポットライトの当たるなかソロで歌い上げる役です。憧れが強かっただけに上手くやろうと意識すると結果は満足のいくものではなく、無心でやれた時は良い出来となったとのこと。もちろん入念に準備されたうえでの話。芸事に限らず、多くの人が共感されることかと思います。

 

歌が上手なタカラジェンヌさんにいらしていただいているので、当初は15分間ほど歌唱をご披露していただく予定でしたが、会場の都合で1曲だけ「すみれの花咲くころ」を講演会最後に歌っていただきました。さすが!声量があって、素敵な歌声でした。縁あって隣の会場の方々約10名も歌唱の時間帯だけ聴きに来られ、講演会は大きな拍手で幕を閉じました。